カテゴリ:アメリカオグロシギ Hudsonian ( 1 )

アメリカオグロシギ Hudsonian Godwit / Limosa haemastica

徒然鳥日記
日記みたいなブログをつくりましたよろしければご覧ください!


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アメリカオグロシギ
2007年5月9日
形態、餌をとる行動はオオソリハシシギによく似ている。
この動画の最後の飛ぶシーンで尾羽が黒くて上尾筒が白いのが
わかると思います。
このパターンはオグロシギに似ています。
上尾筒が白いのと、尾羽が黒いところ。





アメリカオグロシギ
2007年5月9日






アメリカオグロシギ、この個体は九州の有明海で、2007年5月5日から5月14日まで
観察されたそうです。(私は5月9日に現地に行き観察しました。)
発見者の方の記事が「BIRDER」2007年8月号に掲載されていますのでチエックしてください。
日本では初めての記録になると思います。
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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

珍しい鳥がでたら、まずは分布を確認します。どこからきたのか?を考えるのがまず重要です。
アメリカオグロシギの分布を見ると、繁殖地はアラスカ西部、南部、カナダのHudson bay
(ハドソン湾岸)などで局地的に繁殖しているようです。越冬地の南米(アルゼンチンなど)に大西洋岸を通り、一気に長距離を渡るようです。
アメリカでも簡単に見れないようです。
アメリカの知人Dennis Paulson 氏に聞くと、彼が住んでいるワシントン州でも毎年は見れないとの事です。

アラスカ南部で繁殖している少数のグループは、太平洋を渡り、ニュージーランドや、フィジー諸島などに渡来しているグループがあるとみられています。
今回の日本の個体は、南米からきたとは考えにくく、ニュージーランドやフィジー諸島で越冬していた個体が北上してきたのではないかと推測しています。(個人的見解です)

注目に値するのはニュージーランドでの記録です。ニュージーランドではほぼ毎年少数の記録があるようで、1990年には最大9羽の記録があるようです。1902年に初記録され、1992年までの間に延べ84個体個体の記録があるようです。

ちなみにオーストラリアでは、本で調べると3例、最近研究者に聞くと5例あるとお聞きしました。
ニュージーランドの方が圧倒的に記録が多い。


ヨーロッパではどうなのかとイギリスの研究者に聞くと、正確ではないがおよそ5例くらいとお聞きしました。
超珍鳥のようです。



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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

アメリカオグロシギは、オグロシギとオオソリハシシギを足して2で割ったような感じの鳥です。
プロポーションや、餌のとり方行動はオオソリハシシギに近く、飛翔時、上面の翼や尾羽のパターンはオグロシギに似ている。(白い翼帯、尾羽、上尾筒のパターン)

アメリカオグロシギは翼下面の下雨覆、脇羽が黒く、オオソリハシシギやオグロシギとは異なります。
一番重要な識別点だと思われます。




<オグロシギとの識別>

オグロシギの方が首、脚が長く、嘴はほぼまっすぐで、形態は異なります。
(形態、餌のとり方はオオソリハシシギに近い。)
翼下面の雨覆い、脇羽がアメリカオグロシギでは黒い。(これが一番の違い)
翼上面の白い翼帯が両種ともあるあ、オグロシギの方が大きくよく目立つ傾向。
尾羽の上の白いバンドもオグロシギの方が大きく目立つ傾向。


<オオソリハシシギとの識別>
翼下面の雨覆脇羽がアメリカオグオグロシギでは黒い。オオソリは黒くない。
アメリカオグロシギでは翼上面に白い翼帯があるが、オオソリハシシギではほとんどない。
アメリカオグロシギは尾羽が黒く、上尾筒が白い。
脚の長さはアメリカオグロシギの方が測定地では長いようですが、実際観察した印象では
あまり変わらない。


The Shorebird Guide (2006)
Photographic Guide To The Waders Of The World (1995)
などの画像を見ると今回の個体はメスの可能性が高いのかなと感じています。
嘴も長くかんじますし。


Limosa属はメスのほうが嘴が長い傾向にあります。

今回の個体は夏羽であったので、上背、肩羽が黒く、特に肩羽の軸班が黒い部分が多いのでので双眼鏡で探す時は、上面が黒っぽい個体をを探せば見つかりました。
シベリアオオハシシギもいたのでそちらを見ていると、見失ったりしましたが、この感じで探せば
見つかりました。



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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

脇羽、下雨覆が黒い。
デジスコでこれを撮るのは至難の技なのですが、なんとかわかる画像が撮れました!
特徴的な識別点なので、この画像がなければ、価値がぐっと減りますから~笑

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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

尾羽が黒くて、上尾筒が白いのがわかります。オオソリに良く似ていますが、このパターンは異なります。


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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

上背、肩羽、三列風切、大雨覆、三列風切の多くが夏羽に換羽しているのがわかります。

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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?



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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?



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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?

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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?
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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?


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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?




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アメリカオグロシギ
Limosa haemastica
2007年5月9日
成鳥夏羽 メス?                      adult summer female?






(Special Thanks)
知人のK.S.さんにご無理を言って画像をお借りいたしました。とても素晴らしい画像です。種の特徴がよくわかります!!
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アメリカオグロシギ
2007年5月10日
撮影K.S. さん
私が観察した次の日にただお一人で撮影されました。
脇羽、下雨覆が黒いことがこの種の一番の特徴?です。
オグロシギでもオオソリハシシギでもこのパターンはでません。
一番わかりやすい識別ポイントです!


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アメリカオグロシギ
2007年5月10日
撮影K.S. さん

オオソリハシシギでは、尾羽が黒くない。

飛翔の上面のパターンはオグロシギに良く似ています。

ただ、オグロシギとよく似ていますが、
上尾筒の白い部分がオグロシギより小さい傾向にある。
オグロシギの場合、上尾筒、腰の下まで白く大きく目立つ傾向。

翼、上面の翼帯の大きさ幅が異なる傾向。
オグロシギは次列風切の基部の白斑も大きいので、翼上面の白い翼帯が長く、幅が広くかんじます。よってこの翼帯はオグロシギの方がよりよく目立つ。
文献には、アメリカオグロシギはこの翼帯は、内側初列風切までとあり、
オグロシギでは外側初列風切までとあります。(ただ、写真をいろいろ見ると個体差があるのかなという印象をうけました。)
それよりもオグロシギは次列風切まで大きく目立つ翼帯がでるので、そちらの方がわかりやすい印象をうけました。

<この個体の年齢識別>
成鳥夏羽か第一回夏羽のどちらかということになりますが
第一回夏羽であれば内側中雨覆、初列風切に幼羽が残り時期的に幼羽はかなり摩耗しているはずですが、この個体は初列風切もひどい摩耗は見られず、雨覆も幼羽と思える羽はみあたりませんので成鳥でいいと思います。


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翼下面の、脇羽、下雨覆の違い。
Hudsonian Godwit / Black-tailed Godwit / Bar-tailed Godwit
左から、アメリカオグロシギ(2007年5月10日撮影K.S. さん)、オグロシギ(2007年5月9日)、オオソリハシシギ(2005年9月15日幼鳥)

アメリカオグロシギの脇羽、下雨覆が黒いのがよくわかります!これが一番重要な識別点です!










(3種夏羽、比較画像)
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アメリカオグロシギ ↑
顔はそれ程赤くならない。(下2種に比べて)
嘴が泥だらけでよくわからないが、オオソリのようにやや反る。オグロシギはほとんど
真直ぐ。
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オソリハシシギ ↑
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オグロシギ ↑
この画像ではオグロシギの脚の長さがよくわからないが上、2種よりもかなり脚が長いので
プロポーションが違う。
脚の長さは、オグロシギが一番長く、その次がアメリカオグロシギ、次にオオソリハシシギ。
(オオソリハシシギとアメリカオグロシギはややアメリカオグロシギの方が長いのかな?という程度)
by shorebirds-waders | 2007-08-02 01:12 | アメリカオグロシギ Hudsonian | Comments(0)